タイ僧侶 の肥満問題について。実際にタイで托鉢してきました。

タイ僧侶 の肥満問題

ヤフーニュースや様々なニュースサイト、ツイッターなどで数日前から騒がれている、「タイ僧侶の肥満問題」

 

246人の僧侶に健康診断を行った結果

・48%が肥満

・42%が高コレステロール

・23%が高血圧

・10%が糖尿病

という結果が出たという記事。

ブッダガヤと往復する中で、実際タイ僧侶やタイの信者さんと触れる機会が多いが、確かにタイから来る僧侶で太っている僧侶がいるなとは感じていました。
そして、友人僧侶からは、「お布施のご飯が多くて食べきれない」という悩みも。

肥満の原因は?

主な原因は、食生活だと。

タイなどを含む、上座部仏教(テーラバーダ)においては、食事はご供養されたもののみ食べます。
ですので、食事を選ぶことはできません。

供養される方法は、いくつかあります。

・僧侶自身が托鉢で供養を受ける。(これが普段)

・レストランで、信者さんが代わりに注文して、それを供養して頂く

・信者さんが家に招いて、食事を供養する

簡単に言うと、僧侶は自炊ができないんです。(生産活動ができない)

これは仏教の戒律によって定められているもので、お釈迦様の時代から托鉢で供養された物を食べていたという記録が残っており、その習慣を守って生活をしているのが上座部仏教(テーラバーダ)の特徴だといえます。

昔は、托鉢で頂く物は、信者さんが家で食べる為に用意していたご飯でした。
近年、忙しさや便利な生活の中で、道ばたの屋台で托鉢用のご飯のセットを購入し、それを供養するという流れになった。
そうなることにより、油がよく使われている物・濃い味付けの物などが増えてしまう。

また、経済発展と共に裕福になると、食事が豪華になる。
僧侶にお布施をする食事は、いい物でないといけませんので、豪華な食事になると濃い味や油がふんだんに使われる物になってしまうということ。。。
(CMで、美味しい物は、脂肪と糖でできているという文言が浮かぶ)

そして、戒律でお昼12時以降は、食事をしてはだめという決まりがあります。
1日、1食か2食のみ。

ただ、飲み物はOK。

しかし、その飲み物が問題。
甘い!
コーヒーも甘い。
そして、ジュースも甘い。
これに関しては、僧侶だけではなく、多くのタイ人が甘い物をよく飲んでいます。

濃い食事と甘い飲み物という、組み合わせの毎日で、今回のような問題が起きたと言うことです。

百聞は一見にしかず。実際にバンコクで托鉢してきました。

いつは昨年11月末、実際にタイ僧侶のお寺に行き、朝一緒に托鉢をしてきました。

実際の托鉢の様子、頂く食事、その後のこと書いていきます。

朝6時頃、裸足になってお寺を出発。

人生初のバンコクでの托鉢。

衣は日本の僧侶の衣で、タイ僧侶である友人の後ろを鉢を持って歩いて行きます。
その後ろには、僧侶ではない男性が一人、40センチぐらいの深さの袋をもってきました。

お寺は、バンコク市内で商店街や学校の近くにあり、15分歩くとそこは住宅街。
私たちだけでなく、大勢の人僧侶が托鉢をしており、各々一人の男性を連れて歩いていました。

一人つく男性は、托鉢の歳すぐ鉢が一杯になるので、頂いた物を自分の持っている袋にすぐ移す役割野方です。

お寺をでると道ばたには屋台がすでに開店しており、屋台の店主が僧侶を見ると食事を小さいビニール袋に入れて持ってきて、靴を脱ぎ地面に座り、鉢の中に入れてくれました。
ビニール袋は、手のひら大の大きさ。
中身は、煮卵二つ。
その屋台では、同じようなビニール袋に入った様々な種類の食事が用意されており、それを買って別の僧侶に供養している人もいました。

10分ほど商店街を進むと、次々ビニール袋に入った食事の布施を頂くことができ、中身は、ご飯から挽肉のおかず、魚、卵、甘い物から、お線香や現金も。
持っている鉢の中はすぐに一杯になってしまうので、後ろを歩いている男性が鉢の中の物を自分の持っている袋に移して鉢の中を空にしてくれます。
そこから住宅街へ進んでいくと家の前に机や椅子を置き、その上にご供養の食事を用意して待っている人達が。おじいさん、おばあちゃんと共に10代の男の子もいて、一緒にご供養をしてくださいました。

40分ほど托鉢をしお寺に戻ると、後ろの男性の袋は一杯でした。

印象的だったのは、30代ぐらいのOL三人組が僧侶を見た瞬間、屋台で食べ物を買い、走って供養をしていた光景と、日本人僧侶の私にも同じようにお布施をしてくれたことです。

お寺に帰ると、その頂いた物を整理。

写真は、二人で頂いた托鉢のご飯。
ご飯、グリーンカレー、お肉、野菜、卵、お水、ドーナツ、お菓子

ちなみに、これが朝と昼ご飯になります。
それから、少しお勤めをして朝食の開始。

頂いた物からお互い好きな物を選び食べていく。
味付けは美味しいですが、確かにちょっと濃いかな?という感じ。

食べきれない食事はどうしているの?

もちろんすべて食べきれないので、余った食事は、托鉢についてきてくれた男の人に分けます。
お坊さんがはじめに食べて、そのあまりを信者さんが食べという流れ。


※ついてきてくれた男性

また、このお寺では、ハンディキャップを持っている若い男の子いて、その男の子も食事を食べていました。
朝お寺に来て、掃除などのお手伝いをしている姿を何度も見ており、仕事を得ることが難しいので、お寺に来て手伝いをしながら、食事をいただくという、食事の流れもそこにありました!!

友人僧侶曰く

「日によってもらえるご飯の量は違うが、これぐらいが普通」

また

「あまりにも多くもらったときには、お寺の台所に持って行って置いておく。
 そうすると、歳をとり、托鉢にいけなくなった僧侶がそれを食べる」

このあたりはお寺によって、食べ方・食べ物の分け方は変わるようです。
そのほかにもいろいろ実情を教えてもらいました。

「日曜日は、何も食事が入らない日もある。
 なぜかというと、休みの日だからみんな朝起きるのが遅くて、用意してなかったり、托鉢の時間に寝ているから」

「バンコクなどの大きな都市はいいが、田舎にあるお寺だと家が少なくて、托鉢をしてももらえる物が少なくて、毎日少ししかご飯が食べれない貧しいお寺もたくさんある」

また、バンコク滞在中タイ人の信者さんがいろいろお世話をしてくれましたが、暑い国なのでのどがよく渇き、皆さん頻繁に飲み物を口にしていたのを覚えています。
私は甘い物を飲まなかったですが、僧侶や信者さんは、甘いコーヒーをよく飲んでいました。

まとめ

実際に托鉢をすると、様々な種類の食事をいただけることに驚き、日本では朝ご飯というと質素なイメージがありますが、朝からしっかりした味付けの物で、高カロリーな物を食べているという印象を受けました。
もちろん、すごく美味しいです。

また、実際バンコクのお寺で出会った僧侶は、確かに太っている僧侶が多かったです。

ただ、滞在中バンコクから離れ、ミャンマーとの国境付近の田舎に行きましたが、そこに住んでいる僧侶はスマートな僧侶ばかりでした。大変質素な食生活。

バンコクと田舎では、経済的な格差があるように、僧侶の食生活などにも差があるようです。

ちょっと疑問

少し疑問があるのは、調査した僧侶がどのような僧侶か?ということです。

というのは、タイでは比較的楽に出家ができ、一時出家などという制度もあります。
逆に、数年で還俗してしまう僧侶もいます。
どのような僧侶を対象として調査をしたのか、長期間僧侶として修行をしている人なのか、一時的になっている人なのか。僧侶になりたてなのか。

なぜこのような疑問があるかというと、ブッダガヤで出会う長年僧侶をしているタイ僧侶は、みんなスマートで健康的な体をしているからです。

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