ガンジス 川を人間 として認める
今年3月上旬のニュースで、ガンジス川とその支流にあたるヤムナ川を人間として認める(人権を与える)と裁判所が認めたと報じられました。
その一週間前にニュージーランド政府が、ワンヌガイ川に人権を与えたこと例に、今回の決定がなされたようです。
また、インド環境保護団体は、この決定を喜んでいると。
その背景には、二つの川の汚染が深刻化していることがあげられる。
ガンジス川、ヤムナー川とは?
ガンジス川という名前を聞いたことある人は、多いと思います。
インドを代表する川であり、ヒマラヤからコルカタ、バングラデシュまで流れる総延長2525km
ちなみに、日本で一番長い川は、信濃川367km
日本の最北端(択捉島)から最西端(与那国島)の直線距離が、3,294km
大変長い川だと言うことがわかります。
ガンジス川 バナラシ
一生に一度、バナラシのこのガンジス川で沐浴をすることで罪が浄化されると信じられている。
毎日、たくさんの人達が沐浴・祈りをしに訪れる場所。
そして、ガンジス川はインドではガンガーとよばれ、女神とも言われています。
簡単に言うと、ヒンドゥー教徒からするとお母さんになるのである。
その特徴がよくわかる日常の習慣があります。
日本では、家族を紹介する場合、お父さん→お母さんという順番で言うと思いますが、
インドは、お母さん→お父さん(マタジー、ピタジー)となります。
お母さんの方が上なんですね。
実際夫婦で、奥さんの方が強いおうちが多く感じます。
これは、ヒンドゥー教の影響で、ヒンドゥー教徒が一番大切にしている聖地がガンガーであり、ガンガーは先ほどいったように、女神だからということです。
ただ、最近の問題はガンジス川の汚染。
ヒマラヤから流れるときは大変綺麗な川も、首都のデリーを通過数するあたりでは汚くなり、ガンジス川で有名なバナラシでは、大変汚染された水になっています。
その原因は、
- 工場排水の垂れ流し
- 生活排水の垂れ流し
- ゴミのポイ捨て
- 洗剤を使っての洗濯
- シャンプーや石けんをそのまま川で洗う
- お祭りで使った供養の品、泥で作られた神様の像をながす
実際の洗濯している写真
モディ首相は、2014年度203億7,000万ルピー(日本円で約333億7,000万円)をガンジス川の汚染対策に割り当てたと報告されいます。
ただ、政府が方針を決めても、なかなか一般市民まで浸透するのは難しく、昨年はお祭りで使った供養の品などを川に流すのを禁止することを発表すると、市民からデモ活動が起こり、バナラシの街は騒然とし、結局方針を撤回したという事例もありました。
信仰心を大切にするインド人ならではだと感じます。
宗教の国インド
実際にガンジス川が通るそれぞれの都市を見ていくと、それぞれの場所でお祈りをする河原があり、絶えず祈りを捧げている姿に出会います。
有名なバナラシという街は特にその宗教色が強く、インド人の信仰心のすごさに驚きます
日本では、宗教を意識せず暮らしている私たちですが、気づかずに習慣化していることが多く無宗教という人が多いですが、インドに来ると自然と宗教に触れることが多くなり、宗教に興味をもつ若者が多いのも納得ができます。
日本人がなくしかけている信仰心という言葉を改めて確認するには、インドはぴったりの国ではないでしょうか。
だからといって、川を汚染していいというわけではないが。。。