ある日、夕食をとっていると、チベット僧の友人から電話が来た。
「明日、法要で砂曼荼羅(すなまんだら)供養と、ファイアープジャをするからおいで」
曼荼羅(まんだら)とは?
曼荼羅とは、仏教において仏の境地、世界観などを仏像、シンボル、文字などを用いて視覚的・象徴的に表したもの。
チベット仏教ゲルク派 宗学研究室のHPにさらに詳しく書いてある。
以下
日本にも様々な曼荼羅が存在するが、古代インドを起源とし、特にチベット仏教においては大切にされており、儀式の際に使用される。
美術的価値も高く、数万円から数十万円、それ以上するものも存在する。
この曼荼羅を、細かい色がついた砂を使って作るものを、砂曼荼羅という。
実際の砂曼荼羅がこちら
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実物を見るのは二回目ですが、何回見てもついつい見入ってしまいます。。
カラフルな砂
砂の量を調節して、少し立体的につくられている細かさ
そして、少しずつ砂を出して作っていくことを想像すると、集中力の凄さを感じます。
繊細さ、正確さ、そして、そこが仏の世界を表しており、仏様がそこに降りてきていると想像すると、自然と手を合わせていました。
たいだい、1週間かけて作るということですが、一番驚きなのが、数日後には壊してしまうところです。
仏教の「諸行無常」を表しているかのようです。
そして、その砂曼荼羅供養と同時に行われたのが、ファイアープジャ
「ファイアー」は、そのまま「火」です。
「プジャ」は、「法要」という意味です。
本堂の外で、火を使い行われます。
僧侶が並んで座りお経を唱える前で、メインとなる僧侶が薪の前に座り、お経に合わせ、火の中にお供物をくべていきます。
この火の中にくべていくことで、お供物が燃えて仏の世界に届いていく。
また、亡くなった方の名前を書いて火にくべてもらうと、その方の供養にもなります。
日本での、護摩供養に当たるかと思います。
お経の内容は詳しくはわかりませんが、お米や食べ物、オイルなどを順番にくべていき、1時間ほどで終了しました。
伝統の大切さ
このように他の国の仏教の法要を見ていると、自分の国、自分の宗派の伝統儀式、行為はなんだろうと考えます。
特にチベット仏教は、伝統的なことを大切に守っています。
一方で、日本ではと考えると、様々な制限の中で、伝統が失われ、簡略化の傾向が見えます
伝統的な儀式、行いを捨てるのは簡単ですが、捨てる前に一度、伝統の大切さを見直していきたいです。
日本の伝統はこれだ!と自信をもって言えるように、見せることができるように。